ホウオウジャク

日本:野鳥

ホウオウジャクの概要

ホウオウジャクは、スズメ目ハタオリドリ科に分類される鳥です。オスは、繁殖期になると尾羽が非常に長くなり、その姿が鳳凰を思わせることからこの名がつきました。その美しい姿から、観賞用として飼育されることもあります。

ホウオウジャク

基本情報

  • 学名: Vidua paradisaea
  • 英名: Paradise Whydah
  • 体長: オス 約39cm(繁殖期)、メス 約13cm
  • 体重: オス 約20g、メス 約15g
  • 寿命: 飼育下では5~10年

生態

ホウオウジャクは、サハラ砂漠以南のアフリカに広く分布しています。草原やサバンナ、農耕地などに生息し、小さな群れで生活しています。非繁殖期には、数百羽の大群を形成することもあります。

鳴き声: 「チィー」「ジィー」など、甲高い声で鳴きます。

分布

ホウオウジャクは、アフリカ大陸の東部から南部にかけて広く分布しています。

ホウオウジャクは、主に種子を食べています。その他にも、昆虫や果実なども食べます。飼育下では、アワ、ヒエ、キビなどの穀物を中心に、野菜や果物、昆虫などを与えます。

子育て

ホウオウジャクは、托卵と呼ばれる特殊な繁殖方法をとります。メスは、他の鳥の巣に卵を産み、その鳥にヒナを育てさせます。主な托卵相手は、カエデチョウ科の鳥です。ホウオウジャクのヒナは、托卵相手のヒナよりも早く孵化し、托卵相手のヒナを巣から追い出してしまいます。

詳細情報

外見

オス(繁殖期): 頭部と背中は黒色、胸は赤褐色、腹と腰は黄褐色です。尾羽は中央の2枚が非常に長く、黒色で先端が細くとがっています。この長い尾羽は、繁殖期が終わると抜け落ちます。

オス(非繁殖期): メスと似たような色合いで、全体的に茶褐色です。尾羽も短くなります。

メス: 全体に淡い茶褐色で、地味な色合いです。

性格

ホウオウジャクは、活発で好奇心旺盛な性格です。オスは、繁殖期になると縄張り意識が強くなり、他のオスに対して攻撃的になることがあります。

飼育

ホウオウジャクは、飼育が難しい鳥です。広い飼育スペースと、適切な餌、そして托卵のための環境が必要になります。そのため、一般家庭での飼育にはあまり向いていません。

托卵のメカニズム

ホウオウジャクのメスは、托卵相手の鳥の巣に卵を産むだけでなく、その鳥のヒナの声を真似て鳴くことができます。これは、托卵相手の親鳥に自分のヒナを認識させるためと考えられています。また、ホウオウジャクのヒナは、托卵相手のヒナとそっくりな外見をしています。これも、托卵相手の親鳥に自分のヒナだと認識させるための工夫です。

まとめ

ホウオウジャクは、美しい姿とユニークな繁殖方法で知られる鳥です。その生態には、まだまだ謎が多く、研究が進められています。