カオグロガビチョウは、スズメ目チメドリ科に分類される鳥類です。その名の通り、目の周りが黒く、まるで仮面をつけたような顔つきが特徴です。中国中南部やベトナムが原産地ですが、日本では外来種として定着しており、特定外来生物に指定されています。
基本情報
- 学名: Garrulax perspicillatus
- 分類: スズメ目チメドリ科ガビチョウ属
- 全長: 30~40cm
- 体重: 100~200g
- 形態: 目の周りが黒く、頭頂部、頬、喉、上胸は灰褐色、背中は鈍い褐色、尾はオリーブ褐色で長く、下尾筒は明るい茶褐色をしています。
- 鳴き声: 「ヒーヨ、ヒーヨ」や「キョロン、キョロン」といった大きな声で鳴きます。
生態
- 生息環境: 低地の森林や竹林、農耕地、都市部の公園など、様々な環境に生息することができます。
- 食性: 雑食性で、果実、種子、昆虫、ミミズなどを食べます。
- 行動: 地上を歩き回ることを好み、あまり高く飛びません。繁殖期以外は小群で行動することが多いです。
- 繁殖: 繁殖期は3~8月で、年に2回繁殖することがあります。低木の樹上や竹藪に巣を作り、1回に2~5個の卵を産みます。
分布
- 原産地: 中国中南部、ベトナム
- 日本での分布: 関東地方を中心に分布を拡大しています。特に、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、群馬県などで多く見られます。
餌
カオグロガビチョウは雑食性で、様々なものを食べます。
- 植物: 果実、種子、花、葉など
- 動物: 昆虫、クモ、ミミズ、カタツムリなど
子育て
- 巣: 低木の樹上や竹藪に、枯れ草や小枝などを使って巣を作ります。
- 卵: 1回に2~5個の卵を産みます。
- 抱卵: 雌雄で抱卵します。
- 育雛: 雌雄でヒナに餌を与え、育てます。
外来種としての問題点
カオグロガビチョウは、特定外来生物に指定されており、生態系への影響が懸念されています。
- 在来種との競合: 在来の鳥類と餌や営巣場所を巡って競合する可能性があります。
- 農作物への被害: 果樹園などで果実を食べるなど、農作物への被害も報告されています。
対策
カオグロガビチョウの分布拡大を防ぐためには、以下の様な対策が重要です。
- 飼育・販売の禁止: ペットとして飼育したり、販売したりすることは禁止されています。
- 放鳥の禁止: 飼っているカオグロガビチョウを野外に放すことは禁止されています。
- 防除: 地域によっては、捕獲などの防除が行われています。
カオグロガビチョウは、美しい鳴き声を持つ鳥ですが、外来種として日本の生態系に影響を与える可能性があります。その影響を最小限に抑えるために、私たち一人ひとりが正しい知識を持ち、適切な行動をとることが大切です。