コシジロキンパラの概要
コシジロキンパラは、スズメ目カエデチョウ科に分類される小鳥です。名前の通り、腰の部分が白いのが特徴です。日本では飼い鳥として輸入されたものが野生化し、一部地域で繁殖しています。
基本情報
- 学名: Lonchura striata
- 英名: White-rumped Munia
- 体長: 約11cm
- 体重: 約12g
- 寿命: 飼育下では5~8年
生態
コシジロキンパラは、主に草地や農耕地、河川敷などの開けた環境に生息しています。群れで生活し、数羽から数十羽の集団で行動することが多く、繁殖期以外は、竹林やアシ原などで集団ねぐらをとります。
鳴き声: 「チッ」「ピッ」「ジュイ」など、細く短い声で鳴きます。
分布
コシジロキンパラは、インド、東南アジア、中国南部、台湾などに広く分布しています。日本では、沖縄県や奄美群島などで野生化しており、近年では本州でも観察例が増えています。
餌
コシジロキンパラは、主に植物の種子を食べています。イネ科の植物の種子を好みますが、その他にも雑草の種子や果実、昆虫なども食べます。飼育下では、アワ、ヒエ、キビなどの穀物を中心に、野菜や果物、ボレー粉などを与えます。
子育て
コシジロキンパラは、繁殖期になるとペアで行動し、巣作りを始めます。巣は、草や竹の葉などを使い、木の枝や茂み、時には建物の隙間などに作ります。メスは、4~6個の卵を産み、オスとメスが交代で卵を温めます。卵は約2週間で孵化し、ヒナは約3週間で巣立ちます。
詳細情報
外見
コシジロキンパラは、全体的に褐色で、頭部と背中は黒褐色、腹部は淡い褐色をしています。腰の部分は白色で、これが和名の由来となっています。くちばしは灰色で、脚は黒灰色です。
性格
コシジロキンパラは、おとなしく臆病な性格です。しかし、好奇心も旺盛で、新しいものに興味を示します。他の鳥とも仲良くすることができ、複数羽で飼育すると、互いに寄り添ったり、羽繕いし合ったりする様子が見られます。
飼育
コシジロキンパラは、飼育しやすい鳥ですが、寒さに弱いため、冬季は保温に注意する必要があります。飼育スペースは、なるべく広い方が良く、ケージの中に、止まり木や巣箱、水浴び容器などを入れておきます。餌は、毎日新鮮なものを与え、水も常に清潔な状態にしておきます。
野生化による影響
コシジロキンパラは、日本では外来生物法で「特定外来生物」に指定されていませんが、生態系への影響が懸念されています。在来種の鳥との競合や、農作物への被害などが報告されています。また、近年では分布域が拡大しており、生態系への影響が懸念されています。そのため、飼育する際には、逃がさないように注意する必要があります。
ジュウシマツとの関係
コシジロキンパラは、ジュウシマツの原種であると考えられています。ジュウシマツは、江戸時代に中国から輸入されたコシジロキンパラを日本で品種改良したものです。そのため、外見や生態はコシジロキンパラとよく似ています。
まとめ
コシジロキンパラは、可愛らしい姿と鳴き声で、多くの人を魅了する小鳥です。飼育する際には、その生態をよく理解し、適切な環境を整えてあげることが大切です。また、野生化による影響にも注意し、責任を持って飼育する必要があります。