シマキンパラ

日本:野鳥

シマキンパラの概要

シマキンパラ(縞金腹、学名: Lonchura punctulata)は、スズメ目カエデチョウ科に分類される鳥類です。インド亜大陸から東南アジアにかけて広く分布しており、日本では外来種として定着しています。

シマキンパラ

全長は約10cmで、スズメよりも小さく、ずんぐりとした体形をしています。くちばしは太くて短く、灰色をしています。体の上面は茶褐色で、下面は白地に黒褐色の鱗模様があります。この鱗模様が和名の由来となっています。

基本情報

  • 分類: スズメ目カエデチョウ科キンパラ属
  • 学名: Lonchura punctulata
  • 英名: Scaly-breasted Munia, Nutmeg Mannikin
  • 和名: シマキンパラ(縞金腹)、アミハラ
  • 全長: 約10cm
  • 体重: 約10g
  • 寿命: 約5年

生態

シマキンパラは、主に草地、農耕地、河川敷などの開けた環境に生息します。群れで生活することが多く、数十羽から数百羽の群れを作ることもあります。繁殖期以外は、他のカエデチョウ科の鳥類と混群を形成することもあります。

昼行性で、日中は主に地上で採食し、夜は樹上で休息します。警戒心が強く、人や天敵が近づくとすぐに飛び立ちます。飛行速度は速く、波状に飛ぶのが特徴です。

分布

シマキンパラは、インド亜大陸、中国南部、東南アジア、台湾などに自然分布しています。日本では、1980年代後半にペットとして輸入された個体が逃げ出して野生化し、現在では本州以南の各地で繁殖が確認されています。

外来生物法では「要注意外来生物」に指定されており、生態系への影響が懸念されています。

シマキンパラは、主に植物の種子を食べています。イネ、ムギ、ヒエなどの穀物のほか、雑草の種子も食べます。また、昆虫やクモなどの小動物も食べることもあります。

子育て

シマキンパラは、繁殖期になるとペアで行動するようになります。巣は、草や木の枝などを用いて、球形または楕円形に作ります。巣を作る場所は、樹上、草むら、建物の隙間など様々です。

1回に4~7個の卵を産み、雌雄が交代で抱卵します。抱卵期間は約12日で、ヒナは約20日で巣立ちます。親鳥は、巣立った後も約1ヶ月間、ヒナに餌を与え続けます。

日本におけるシマキンパラ

日本では、シマキンパラは外来種として定着しており、在来種への影響が懸念されています。具体的には、以下のような影響が考えられています。

  • 在来種との競合: シマキンパラは、在来のカエデチョウ科の鳥類と餌や営巣場所を巡って競合する可能性があります。
  • 農作物への被害: シマキンパラは、イネなどの穀物を食べるため、農作物に被害を与える可能性があります。
  • 遺伝子汚染: シマキンパラは、在来のカエデチョウ科の鳥類と交雑し、遺伝子汚染を引き起こす可能性があります。

これらの影響を防ぐために、シマキンパラの駆除や、ペットとして飼育されている個体が逃げ出さないようにするための対策が必要とされています。